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~in their own ways 彼らの選択~ フツーの女子大生が世界一周の旅へ

~in their own ways 彼らの選択~ フツーの女子大生が世界一周の旅へ

〈なでしこVoice〉は海外で活躍する日本人女性がどんな苦労やステップをへて、そこにたどりついたのか。それを働く女性たち自身の生の声として提供するインタビューサイトだ。このサイトはひとりの女子大生のこんな思いからスタートした。「知りたい情報がどこにもない。なら自分で聞きに行くしない」

「運命の〇〇」。それは選ばれた者だけが得る奇跡なのか。〈なでしこVoice〉代表・濱田真里の話を聞いてこんなことを思う。〈運命にするか否かは、その人が次にどう行動に移すかではないか〉と。
 大学2年次を終えた濱田は将来の進路として「海外で働くこと」に興味を抱いていた。そんな時『マイクロソフトでは出会えなかった天職』という一冊の本に出会う。途上国の子どもに教育機会を提供するNPO〈Room to Read〉を設立したジョン・ウッド氏が、社会起業家になった経緯を綴った本だ。
「こんな仕事があることを知り感動したし、海外への興味もさらに強くなった」
 濱田はそれを単なる感動に終わらせなかった。「海外で働くということがどんなものか自分の目で確かめたい」と海外ボランティアの国際ワークキャンプに応募。大学を休学し世界一周の旅へと出たのだ。アジア~ヨーロッパ~アフリカ、さまざまなワークに参加しながら将来の自分を模索する。最後のワーク地、アフリカのトーゴでは水道工事に参加。現地男性に混じっての過酷な労働も経験した。
 頭の上に石や砂を置いて何度も往復する。「重機を使えば数日で終わるだろうに」などと思う。実際、それを現地のトップにも話した。だが彼らの答えは「This is Our Real」。現地を見ればその答えは十分理解できる。ただ一方で彼女はこんな風にも思った。「じゃあ私ができること、やるべきことは一緒に石や砂を運ぶことなの?」と。
 トーゴのキャンプでは現地大学生と何度も話す機会があった。濱田は彼が自分と話すことで、次第に夢や希望を語り始めることに気づく。最初は「本当は違う学部に入りたかったけれどお金が」と言っていた彼が、対話を通じて「この国はまだまだ援助に頼っている。自分はこの国でビジネスを起こしたい」と話し始める。彼女は対話が人を勇気づける、エンパワーメントできることを知る。この経験は後に彼女が“聞き手”として相手の想いを引き出す、インタビュアーの原体験だったのかもしれない。

この情報を必要な人がきっといる

〈なでしこVoice〉のホームページ。世界で活躍するに日本人女性たちの苦労話、将来の夢、そして実体験にもとづいたアドバイスなどを読むことができる。すべて濱田自身が直接相手に会って話を聞くのが基本スタイル。記念すべき第一回はフォトジャーナリストの安田菜津紀さんへのインタビュー。 http://www.nadeshiko-voice.com

〈なでしこVoice〉のホームページ。世界で活躍するに日本人女性たちの苦労話、将来の夢、そして実体験にもとづいたアドバイスなどを読むことができる。すべて濱田自身が直接相手に会って話を聞くのが基本スタイル。記念すべき第一回はフォトジャーナリストの安田菜津紀さんへのインタビュー。
http://www.nadeshiko-voice.com

 帰国した濱田は意外にも“普通の”就活に臨む。その理由を彼女は「いろいろな国に行って思ったんです。教育を受けられ、旅もできる。この恵まれた環境の中で『自分は今、何をすべきなのか』って。そうするとまずは“新卒チケット”を使って就職し、社会に出て経験を積むことじゃないか、って」と話す。
 ただ「将来海外で」という夢を捨てたわけではない。就活においてもそれを公言し続けたし、いろいろな情報を集めた。しかしどんなに探しても女性が海外で働くキャリアパスにつながる有益な情報を得ることはできなかった。
「なら直接現地に行くしかないじゃない」と、2011年春、濱田は海外で働く日本人女性たちの話を聞くため、まずは大好きな国だったカンボジアへと飛ぶ。それは第一に自分のためだった。だが帰国してIT企業の内定を得た濱田は思った。「きっとこの情報を必要な人がいる。誰もやっていないこれを、今、私ならきっとできる」と。
 そして6月、濱田は仲間の協力を得て〈なでしこVoice〉のサイトをオープンする。
(文中敬称略・次号後編に続く)


〈なでしこVoice〉
代表 濱田真里(1)
1987年埼玉県出身。早稲田大学教育学部社会科社会科学専修卒。大学3年生の時に休学し、ボランティアをしながら世界を旅する。帰国後、2011年に世界で働く日本人女性のインタビューサイト〈なでしこVoice〉を起ち上げる。IT企業の営業職を経て、現在は〈なでしこVoice〉代表のほか、海外就職応援サイト〈ABROADERS〉編集長などを務める。

文・写真|佐藤 久

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