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【特集】結婚 いま結婚はどうなっている

婚姻件数が減少、婚姻率も低下している(図表1 婚姻数と婚姻率の推移)、恋愛・結婚観が変化(図表2 GDPの推移と結婚と恋愛に関する流行語)

データで見る日本の結婚

ブライダルシーズンの秋だ。震災後に婚約指輪の売り上げが増えたとのニュースは、改めて家族の絆の大切さを認識する人が増えたことを裏付けた。一方で、晩婚化や未婚化が注目され始めて久しい。いま、日本人の結婚事情はどうなっているのだろう。

 婚姻数が逓減している(図表1)。2010年の婚姻件数は概数値で70万213組と前年と比べて7500組ほど減少した。対人口千比の婚姻率は、2010年概数値で5.6%と過去最低を記録している。この値は1970年代前半と比べ、およそ半分の水準だ。過去数十年間の流行語をGDPとともにグラフ化した(図表2)。時代ごとの結婚・恋愛観が浮き彫りになってくる。
 年齢別未婚率(注)はいずれの年齢層も上昇傾向で推移している(図表3)。「国勢調査報告」によると30~34歳の未婚率は男性47.1%、女性32.0%と、男性の約半分、女性の約3分の1を占める(2005年)。30代後半の未婚率も男女それぞれ30.0%、18.4%となっている。
 国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2010年版)」が示す生涯未婚率は、1990年以降、男女とも一貫して上昇傾向にある(図表4)。2005年の生涯未婚率(注)、男性15.96%、女性7.25%を、1975年の2.12%、4.32%と比較すると、特に男性で上昇が著しい。
 平均初婚年齢は2010年の概数値で、男性30.5歳(対前年比0.1歳上昇)女性28.8歳(同0.2歳上昇)と、1975年と比べてそれぞれ3.5歳、4.1歳上昇した(図表5)。晩婚化(注)の傾向は明らかだ。再婚を含めた婚姻年齢のデータでも同様の傾向が見られる。
 離婚件数は上昇傾向にある(図表6)。2009年には、婚姻70万7734組に対し離婚25万3353組と、同年婚姻件数の3分の1を超えた。45秒に1組が結婚し、2分4秒に1組が離婚したことになる。再婚件数も増えている(図表7)。夫婦どちらかあるいは両方が再婚である婚姻件数の年次推移を見ると、上昇カーブが明確だ。1997~2001年に離婚した人が5年間で再婚した割合を厚生労働省が調査した結果では、どの年次もおよそ3割が再婚している。
 少子化問題が日本で注目されて久しい。1.57ショックと騒がれた1989年以降も、合計特殊出生率の低下傾向は変わらず、2005年には過去最低の1.26を記録した。諸外国と比べて婚外子の割合が低い日本では(注)、少子化と未婚化は関連性が高い。少子化の背景として、未婚化が取り上げられることは少なかったが、内閣府は今年5月に発表した「結婚・家族形成に関する調査」に「少子化の大きな要因の1つとして『未婚化』がある」とした。
 適齢期の見合い結婚が当然だった時代、職場や親戚の紹介で結婚した時代があった。家庭を持ち、男性がまじめに働き、女性が家を守ることで、「今は貧乏だけど、将来はきっと」と、多くの日本人が将来の豊かな生活を想像できた経済成長の時代とも重なる。その後、恋愛結婚が主流になった(図表8)。1970年には「恋愛結婚」が流行語ともなっている(図表2)。同時に、少子化と核家族化により血縁のつながりが薄れ、地域社会の結びつきが弱まり、職場環境は変化し、縁談を持ち込む「周囲」が激減した。また、右上がりの経済が終焉し、誰もが将来の豊かさに希望を持って家庭を築ける時代ではなくなった。
 団塊世代の親にパラサイトすることで、生活費の負担なく、比較的豊かな独身生活を送る男女が増加した。「パラサイト・シングル」という造語が一躍流行し、結婚によって経済的な生活水準を下げたくない、という独身者が増えた。さらに旅行や同せいなど必ずしも婚姻を前提としない付き合いを許容する男女が増加し、結婚に踏み切れない事態が定常化しつつある。加えて、近年は経済面の不安も大きい。将来にわたる安定した収入の見込みが立たず結婚を考えられない男性や、所得は高いが女性との付き合いに不自由せずあえて結婚の必要性を感じない男性、自らの所得はないが結婚により豊かな生活を求める女性、自らが高所得であって自分以上の所得を男性に求める女性など、「結婚自由市場」では結婚に結びつく自然な出会いが難しくなっている。
 総務省統計研修所の調査「親と同居の若年未婚者の最近の状況」で未婚者の親との同居の状態が分かる(図表9)。「パラサイト・シングル」には、基礎的生活条件を親に依存する意を含んでいたが、その条件は考慮されていない。統計によると、20~34歳の同居率は1990年の41.7%から2008年には46.2%と4.5ポイント上昇し、近年は小幅な増減を繰り返す。注目すべきは35~44歳の同居率が同期間で9.2ポイント増加し、同居数とともに一貫して上昇傾向にあることだ。統計ではその背景として、収入の減少や将来への雇用不安などの経済的理由を挙げている。国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、パート、アルバイトを含む民間給与所得者の平均年収は2009年で406万円と、1997年以降減少傾向にある。
 結婚の意思が消えたわけではない。厚生労働省の調査では、約9割の未婚者が、いずれ結婚の意思があると答えている。(図表10)。人生における重要な問題である点で、就職(転職)と結婚は似ている。しかしハローワークや転職サービス会社と異なり、結婚相手紹介サービス会社はその必要性をハローワークほど広く一般に認識されていない。結婚したいが結婚できない、しかし恋愛で決めるべき(と思い込んでいる)結婚を、金銭を払って他者にサポートしてもらうことへの恥ずかしさ、後ろめたさが多くの人にはまだある。
 結婚したいけれど、結婚できない。その状況はどのように解決できるのか。婚活事情の現状を、結婚相手紹介サービス会社大手「ツヴァイ」に聞く。

(注)
未婚率:一度も結婚したことのない人の割合。離別や死別を含まない。
生涯未婚率:45~49歳と50~54歳未婚率の平均値。
晩婚化:平均初婚年齢が上がる傾向。
婚外子の割合の国際比較:日本2.1%(09年)、韓国1.5%(06年)、フランス52.6%(以下08年)、ドイツ32.1%、イタリア17.7%、スウェーデン54.7%、イギリス45.4%、アメリカ40.6%(人口動態統計、米国CDC、Euro-Statによる)

図表3 年齢別未婚率の推移、図表4 生涯未婚率の推移、図表5 初婚年齢別 婚姻件数の割合、図表6 離婚件数の推移、図表7 再婚の婚姻件数の年次推移、図表8 恋愛結婚と見合い結婚の割合の推移、図表9 親と同居の未婚者の推移 35~44歳、図表10 男女未婚者の生涯の結婚意思

文:羽田祥子 撮影:イシワタ フミアキ

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