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K.I.T.虎ノ門大学院・三谷宏治教授が教える 「社会人大学院生の飛躍 学びがもたらした未来」(1)

ケース1:Aさんの場合
コールセンタースタッフ→ITコンサルタント

 AさんがK.I.T.虎ノ門大学院へ入学したのは4年前、Aさんが27歳の時だ。当時Aさんはあるコールセンターでいちスタッフとして勤務していた。Aさんを教えた三谷教授は彼の印象をこう語る。
「キャリア面談で『ITコンサルタントになりたい』と夢を語っていましたが、人をコンサルティングするより先に、自分自身がきちんとした社会人になる必要がありました(笑)」
 とはいえ、Aさんの勉強に対するモチベーションは高く、厳しい三谷先生の授業についていくためにも「今までどおりでの生活ではダメだ」と、好きだったゲームを絶った。
 入学して半年ほど経った時、仕事場でチームのリーダーになった。会社の合併により文化を異にするメンバーが集まった、非常にまとめにくいチームだったという。
「もうAさんは必死ですよね。組織マネジメントとか、人事マネジメントとか、それまでに学んだことを一つひとつ使ってチームをまとめようとしていました。学んだことしか知りませんでしたからね」

 そうこうしているうちに、会社の中で数個のプロジェクトが立ち上がり、Aさんは複数のプロジェクトにメンバーとして参加した。
「そこでも彼は大学院で学んだことを元にさまざまな調査や分析を、下っ端としてコツコツしていたそうです」
 プロジェクトとはすべてが順調に運ぶものではない。しかし、中間発表時点で滞りなく進行していたのはAさんが参加していたプロジェクトのみだった。この時点でAさん本人にも「力がついてきた」との自覚が生まれた。周囲がAさんを認め始めていたのは言うまでもないだろう。ほどなくAさんは事業企画へ配属される。

 修士論文に取り掛かったAさんは、テレビを見ることも絶った。「久しぶりに食事を共にしたご両親は『本気になっているお前を初めて見た。私たちが授業料を払っていたときは……』と少し複雑だったそうですよ(笑)」
 事業企画へ異動し、コンサルタントという夢に近い仕事を始めたAさん。大学院を卒業した後も、学んだことと照らし合わせるようにして仕事と対峙した。時には大学院のゼミにも参加していたという。
「半年ほど前に『お話を頂いてITコンサルティングの会社に転職することになりました』と報告がありました。驚きましたね(笑)。認められたからには新しい場所でどんどんチャレンジしていってもらいたいですね」

 入学当初の希望通り、ITコンサルタントの仕事に就いたAさん。Aさんの取った行動の何がそこへ導いたのだろうか。その答えはBUAISO 6月号―「時間とお金を無駄にしない」社会人大学院での学び方―で。


文:川口奈津子(編集部)

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