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経済
特集 クロスメディア時代の広告 伝統的メディアと今どきメディア


名古屋放送テレビ放送株式会社 岩本孝一氏
テレビ局は、簡単に言えば放送設備とこれを操作する人を貸して、スポンサーとコンテンツメーカーに替わって放送し、その放送料を頂きつつ、同時に自らコンテンツメーカーとして参画するという業態です。つまり、スポンサーからの広告収入が生命線であるわけですが、ここ数年テレビ局の広告収入は、率としては過去最高の落ち込みを記録しています。ただ、広告全体の減少の中で、他媒体に比べテレビ局はまだ踏み止まっているという印象です。もちろん、いわゆる番組スポンサー枠(タイム)はリーマン・ショック以降大手企業が広告費を削減しているため、まだまだ厳しいと言わざるを得ません。しかし、番組と番組の間に流すスポットの出稿額は、昨年に比べて増加の傾向にあります。スポットの広告主は必ずしも年間を通じての契約ではなく、必要に応じて出稿していただくスタイルだからと思われます。経済が底を打ったと言われていますので、今年後半の数字には少し期待をしています。テレビCMは、世の人々が初めて出合う新しいものや、自力では探し出せないもの、存在に気がつかないものを伝える入り口として有効であり、そうした導入部分としての役割はおそらくこれからも変わらないでしょう。こちらのがんばり次第でしょうか。ただ、これ以上スポンサーの広告費が減ることはないと仮定しても、それが他のメディアに流れる可能性はあり、しかもどこに行くかはわからないのです。視聴者が今、メディアに対し従来の見方を変えてきたとも言えます。
そうした認識からまず会社組織をスリム化してきたわけですが、そうなると、今度は人が余ります。そうした新しい戦力の投入先として、かつ、本業である地上波放送以外で会社を支える柱として、いよいよ本格的に放送関連事業に取り組まなくてはならない時代になってきました。具体的には、有料チャンネル、物品販売、イベント、映画等のコンテンツに対する出資などです。
放送関連事業で重要なのは、他社との連携だと考えています。しかも、事業形態ごとにあるべき連携の形が違う。例えば、イベントにはお客さんに来場してもらわなくてはならないという制約があります。とすると、静岡、長野といった経済的につながっている隣接県のテレビ局との連携が望ましい。これに対して、物品販売であれば距離的に遠くても可能であるし、逆に近いと色々な意味で利害が衝突する恐れがあります。さらに、ラジオ、新聞、雑誌、インターネットといった類似業種との連携もあり得ます。もう、テレビの中で自己完結的に利益を確保するという古い考え方は捨てなければなりません。
ただ、これら放送関連収入の大まかな目安として「売上の1割いけば立派」「東京のキー局でも2、3割を目標としている」と言われています。会社を支えるレベルまで育てるのはなかなか大変です。そうした現実を前提にすると、本業のアンテナとしての機能を強化し地上波そのものを新しいものに変えていけるようになるといいと思います。
今後は、地域に根ざした地方局という特性を活かしつつ、コンテンツメーカーであり続けながら、従来の枠にとらわれずに、ラジオ、新聞、雑誌、インターネット、衛星、ケーブルテレビ、IPTVといった連携の、できれば先頭に立って、ビジネスモデルを構築していきたいですね。
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