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【プレパラート】小学生の夏休みと注目の民間学童

【プレパラート】小学生の夏休みと注目の民間学童

 子どもたちの夏休みももうすぐ終わり。2学期が近づき、ほっとされている方も多いのではないでしょうか。専業主婦の方も働いている方も、子どもの夏休みの過ごし方は頭を悩ませるところだと思います。夏ならではの体験をさせてあげたいし、宿題も終わらせないと。自由研究は何をしよう。仕事をしているので日中は学童保育にお願いすることになる。学童には給食がないから毎日お弁当を作らないと。せっかくの夏休みなのに学童ばかりでいいのかしら。
 小学生の子どものいる共働き家庭や一人親家庭では、夏休みなどの長期休暇は学童保育に頼るケースが多いでしょう。学童では指導員が見守る中、宿題に向かう時間や自由に遊ぶ時間、おやつを食べる時間など大まかなスケジュールが組まれています。夏休みは小学校のプールへ行く時間なども盛り込まれるほか、野外キャンプや夏祭りなどの夏らしいイベントが企画されるところもあるようです。休暇中もバランス良く規則正しい生活を送ることができ、夏らしさも楽しめるようですが、取り組み内容は施設によって温度差があることや、やはり6週間もの長い間、預け続けることをどうかと考える方もいらっしゃるようで、両親が別々に夏休みを取って交代で子どもと過ごす、田舎の祖父母へ子どもを預けるといった工夫も耳にします。

(資料)筆者作成

(資料)筆者作成

 ところで、一口に学童と言っても運営主体は様々です。最も多いのは自治体で約4割を占めますが、地域の保護者会や社会福祉協議会、各種法人による運営もあり※1、最近では学習塾などの民間企業の参入も進んでいます。保育園ほどは注目されていませんが、学童でも待機児童問題を抱えており、潜在的なものも含めると、低学年で全国約40万人と推定されています1。また、「小1の壁」でも言われるように、子どもの小学校入学と同時に時間短縮勤務ができなくなる企業も多い中、公立などの従来からの学童は18時頃には閉まります。公立の代替として、時間に融通の利きやすい企業の運営する民間学童を利用される方もいらっしゃるようです。
 公立などの学童と民間学童を比べると、何よりもまず値段が違います(表)。民間学童には自治体の助成金が入らないため、値段がケタ違いに高く、「高級学童」と言われることもあるようです。しかし、学習塾が運営する学童では塾を併用できたり、フィットネスクラブの運営ではスイミングや体操を習うことができたり、そのほか、英会話や絵画、ピアノを習えるところもあります。また、施設によっては、基本料金の中で、下校時に小学校や駅・バス停などの指定の場所への迎えに行ってくれるところもあります。毎日利用するとなると高額ですが、例えば週に2日、ピアノと英会話を習える日だけお願いするなど、習い事にもなると考えると、場合によってはリーズナブルかもしれません。また、鉄道会社の運営する学童では駅ビルなど利便性の高い場所にあるものが多く、会社帰りに迎えに行きやすいという利点もあります。
 少子化は進行していますが、高学歴化により教育熱は高まっています。女性の活躍促進がうたわれ、働く女性や共働き家庭は今後ますます増えるでしょう。高額ではありますが、民間学童の需要はじわじわと高まっていくのではないでしょうか。


1.全国学童連絡協議会「2014年5月1日現在の学童保育実施状況調査」

顔写真_kuga久我 尚子(くが・なおこ)

2001年、早稲田大学大学院終了後、株式会社NTTドコモ入社。2010年よりニッセイ基礎研究所。現在、生活研究部准主任研究員。専門は消費者行動、心理統計、マーケティング。内閣府統計委員会専門委員。著書に「若者は本当にお金がないのか?統計データが語る意外な真実」など

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