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実践サバイバル投資術 2014年は正念場 3年ビジョンで乗り切るべし!

実践サバイバル投資術 2014年は正念場 3年ビジョンで乗り切るべし!

 2年前に「2012年秋から株価急騰」を前提にビジネスプランを立てていた。当然ながら、「そんな都合良く相場は動かないよ」と多くの関係者に言われた。あくまで7年から10年の相場循環と春高秋安の「ハロウィン効果」に基づく予想だったのだが、現実はその通りになった。そして今は、“2014年は正念場”と考えている。
「2020年東京オリンピック誘致も決まったし、企業業績も急回復。来年もアベノミクスで好調だよ」という声が聞こえてきそうだが、数年先を睨めばやっぱり、投資家にも経営者にもサラリーマンにも「勝負の年」となりそうだ。
 ほんの10年前には、中国が尖閣諸島だけでなく日中中間線を大きく越えて防空識別圏を一方的に宣言し、東アジアの“ジャイアン”になるとは想像できなかった。でも“軍属船長の体当たり”や“レアアース対日禁輸”、“政府主導の反日デモ”があった後には、この手の行動にいずれ出てくると想像できた方も多いだろう。また、各国選挙などの政治イベントは数年先まで決まっている。となれば数年先を予想して行動するか、不勉強のまま放置するかで投資でもビジネスでも結果が大きく異なってくる。「備え在れば憂い無し」だ。

株価を動かす今後3年の10大イベント

 来年だけを見ると平凡な1年にも見えるが、2015年後半から2016年にかけては「これでもかっ!」というぐらいに景気を冷え込ませそうなイベントが続く。サバイバル投資を実践するには、2014年中にしっかり稼いで、2015年から2016年の間はキャッシュポジションを多めにとって身構える必要がありそうだ。

1.2014年4月消費税増税(第一弾)

 1997年の消費増税(3%から5%)の時は、増税分の5兆円に加えて、特別減税の打ち切りで2兆円(所得税増税)、社会保険料の引き上げで2兆円の計9兆円もの国民の負担増になり、戻り調子の景気の腰を折ってしまった。
 今回は3%の消費増税で年間約7.5兆円の増税となるが、大規模な経済対策で景気減速を防ぐという。さらに、2015年10月の消費増税第二弾もあるから、「駆け込み需要はもう1回期待できる」という見方もある。ただ、これで「ふむふむ」と納得するようではオメデタすぎる。駆け込み需要は競争激化であまり儲からないのに、反動減の時には生産力がだぶついて開店休業状態になる。過去のエコポイントでも家電メーカーや自動車各社、小売業者の多くは反動減で窮地に陥った。さらに、“経済対策”で潤うのはインフラ・土木工事が多いので、消費税で困る企業や消費者にはお金は届かない。百歩譲ってマクロ的な効果があるとしても、翌年には財政再建のためにも増税だけが残る。となると、2014年は乗り切れたとしても翌年以降は景気・株価に大きくマイナスとなるはずだ。

2. 2014年11月米中間選挙

 現在の米国議会は上院が民主党、下院が共和党という“ねじれ現象”が起きている。これが二期目のオバマ政権の動きが鈍い一因だ。下院は選挙区の区割りで共和党優位が続く一方、上院でも民主党は激戦区での改選が多い。このため、オバマ政権はTPP交渉の早期妥結と量的緩和政策の継続で中間選挙での勝利を狙ってくるはず。一方、共和党は債務上限問題で一時支持を減らしたものの、オバマケア後退による敵失で盛り返している。上下院とも共和党が過半数を取れば、オバマ政権の残り2年はいわゆる「レームダック」となり、米国は何も決められない状況に陥る。そうなると当然ながら株価にはマイナスだ。

3. 2015年1月相続税増税

 日本では相続財産の大部分が不動産ということが多い。このため、相続税増税で首都圏や主要都市を中心に土地を売らなければ相続税を払えないケースが増えることになる。供給が増えれば地価が下がり、都心の地価が下がれば、当然ながら地価デフレがジワジワと周辺部にも広がる。相続税なのですぐには影響が出ないが、日本経済への“逆資産効果”が長期に亘るものと懸念される。

4.2015年3月?北陸新幹線(長野~金沢間)開通

 北陸地方にとってはかなり明るい話題。北陸新幹線が金沢まで開通し、今まで4時間弱もかかっていた東京・金沢間が2時間22分に短縮される。これにより金沢の中核都市としての価値が増し、首都圏からだけでなく海外からも金沢への観光客が大きく増えるはずだ。金沢に本店がある企業の株式に投資を考えるなら2014年中に仕込んで、新幹線開通で一旦手仕舞う戦略が有効と思われる。

5. 2015年10月消費税増税(第二弾)

 2014年4月の増税時のように緊急景気対策を打ち出したとしても、結局国民の税負担は増える。同時に粛々と社会保険料負担も上がり、相続税増税も影響が出始める頃だ。いつまでも公共投資に頼るわけにはいかないという批判も出てくる。駆け込み需要の反動減もあり、増税がボディーブローのように効いてくる2016年春以降は株価急落を要警戒だ。

6.2015年12月韓国の戦時作戦統制権が米韓連合司令部から韓国軍に移管

 あまり知られていないが、韓国軍は有事には米軍の指揮下に入る体制になっている。これが2015年に韓国軍は自ら戦時の指揮権を持つことになる予定だ。なにせ裁判所は国民感情で判決を変え、盗品の仏像は日本に返還せず、国際条約を無視する判決を連発するお国柄。また、戦闘機の整備状況が悪くて稼働率が低かったり、先日はミサイル艦が強風で沈んでしまったりというお粗末なニュースもある。そんな軍隊と一蓮托生は勘弁と、戦時作戦権移管後に在韓米軍が大幅縮小されるという見方が根強い。そうなると鼻息が荒くなるのが北朝鮮。2015年12月以降は朝鮮半島の緊張が再び高まる可能性がある。

7.2016年1月ついにマイナンバー(共通番号)制度始まる

 先進国では常識の国民総背番号制。でも日本では導入までに50年もかかって導入となった。今後は金融取引などに欠かせない番号となることが必至だ。脱税防止には効果てきめんなので、超富裕層やアングラマネーが日本から外国に逃げ出すとすれば2015年までだ。それが強力な円安圧力になっていたとするなら、2016年1月以降はパッタリ止まってしまう。そうなると、円高反転、株安、企業業績悪化のきっかけにもなりそうだ。

8. 2016年7月衆参同時選挙?

 アベノミクスでブイブイ言わせてきた自民党に国民が審判を下すことになる。衆参同時選挙なら資金力で与党が有利になるので、与党はこれを狙ってくるだろう。結果は…その時の株価と景気次第。安倍さんはこれに勝って2020年の東京五輪まで続けたいところだが、「次はオレの番だ」とか「俺にももう一回チャンスを」と首相の座を狙う政治家たちが反旗を翻すなら自民党も一枚岩ではなくなる。また、原発や特定秘密保護法、放送法などでマスコミがプロ市民を巻き込んで反自民で結束する可能性も高い。自公が両院での過半数を維持できなければ、再び日本は“決められない政治”でデフレ経済・長期停滞に逆戻りとなる。

9.2016年8月5日~21日リオ・デ・ジャネイロ 夏季五輪開催

 オリンピックの後は世界景気が後退することが多い。アテネ五輪後のギリシャの顛末、2008年北京五輪後のリーマンショックときているが、米国金融緩和で資金が引き上げ、巨額の経常赤字に悩むブラジルがどうなるか。南米にはデフォルト“常習犯”が多いので外債投資は通貨選びに慎重になるべきだろう。

10. 2016年11月8日米大統領選挙

 オバマ大統領の次は民主党ではヒラリー・クリントン前国務長官が最有力候補。共和党候補は風貌も“パワフル”なニュージャージー知事クリス・クリスティー氏の他、不法移民の合法化を訴えてヒスパニックの支持を集めるキューバ移民2世のマルコ・ルビオ氏や、海外米軍基地縮小を訴える“茶会派”のランド・ポール氏が有力とか。「大統領選挙の前年は株が上がる」などと言われる。裏を返せば、2015年中には売り抜けることを考える必要がありそうだ。

(念のため付言すると、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではない。)


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土居雅紹(どい まさつぐ)
eワラント証券株式会社COO。CFA協会認定証券アナリスト、証券アナリスト協会検定会員。1964年静岡県生。88年一橋大学卒業後、大和証券入社。証券アナリストとして活躍。93年米国ノースカロライナ大学経営学大学院にてMBA取得。大蔵省財政金融研究所などを経て、ゴールドマン・サックス証券へ。00年同社でeワラントを開発・導入。11年8月より現職。時代に合った投資方法を研究、その分析力には定評がある。

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