ホーム / Business / 経済 / 【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.9「ギブ・アンド・テイク」~男たるものイマドキ何倍返し!?~
【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.9「ギブ・アンド・テイク」~男たるものイマドキ何倍返し!?~

日本男子必見!?!?

【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.9「ギブ・アンド・テイク」~男たるものイマドキ何倍返し!?~

時は弥生二日、戌の刻あたりに遡る。1年で最も華やかな女子イベント、ひな祭りを明日に控え開催された女子会にて、「あかりをつけましょ……」と、ほろ酔い女子たちが桃色のハーモニーを奏でるなかに、「ぼんぼりに」とアルトとテノールの中間音くらいのお内裏声が加わる。声の持ち主は、大学時代の男友のケンちゃん(某電気メーカー勤務・スイーツ大好き! やや草食気味)。古来、女子のためのお祝い事であるひな祭り、を兼ねた女子会というダブル桃色イベントに参戦するとは……まさかケンちゃん、女子デビュー!?(それを裏づけるかのように、ハイボール入りグラスをもつ彼の小指はピンと立っているではないか!)女子一同、桃の節句ならぬ、「桃の絶句」状態に陥らんとしたそのとき、彼は潤んだ瞳をこちらに向けてつぶやいた。「実は、オレ……」

グッバイ、義理チョ娘(コ)

「四半世紀生きてきたなかで今が1番、モテ期かも!」とケンちゃん(女子デビューしたい! ではなくホッ)。聞けば、バレンタインに気になる女子2人(もいるのかいっ)からチョコレートをもらったらしい。それも、「これまでにもらった数多の義理チョコとは一線を画す、本命オーラがプンプン漂うチョコ」なのだとか。
「会社の花形A嬢からは高そーなチョコ。合コンで知り合ってから何度か遊んでる癒し系Bちゃんからは、な、なんと手作り!」と顔を綻ばせる彼に、女子たちは「なんだぁ~のろけ話か」と内心毒づきながらも、「よかったじゃん」と、とりあえずその栄誉を称えてみる。
 と次の瞬間、彼はそれまで崩していた足を整え正座し、改まった様子で次のような向上を述べたのである。
「ゴホン。次はいつ来るかわからぬ、いや、もう二度と訪れることはないやもしれぬ我がモテ期。この一世一代の恋のチャンスに、是非とも彼女をゲットしたいのであります(彼女不在歴もうすぐ3年)。つきましてはホワイトデーのお返しについて、女子友の皆様にご意見をお伺いしたく、深くお願い申し上げまするぅ~」
 学生時代、仲間内から代返係を押しつけられていたとは思えぬ、まるで戦いに挑む覚悟を決めた武士のごとき勇壮な表情に、彼のただならぬ意気込みを感じ取った女子たち。
「よろしい、聞いてしんぜよう」――そうして、ひな祭り女子会は「ホワイトデー緊急サミット2014」と化したのだった。

「友達だからハッキリ言うけど、A嬢は義理チョコ臭がする~。Bちゃんにしときな!」と、いきなりストレートノックをかます女子友Sに、ケンちゃんはその根拠を訊ねる。

女子友S「お・ん・な・の・か・んっ」

ケン「なんだよそれ。いや、A嬢攻略が難しいのはわかってる。けど、チャレンジはしたいの!」

女子友S「ということは、お目当てはやはりA嬢? Bちゃんではなく」

ケン「あわゆくばA嬢! だけどBちゃんも捨てがたい……」

女子友一同「サイアクー」

ケン「とりあえず、彼女がほしいのっ!」

 延々と続いていきそうなどこともつかないグダグダトーク……。〝このままではいかん(そう、本席は議論すべきテーマを有した一応、「サミット」の体なのだから)〟と見かねた、しっかり者の女子友Mが「ところで、ケンちゃんはホワイトデーのお返しのいったい何に悩んでいるの?」と核心を衝く。
 その問いかけにハッと現実に戻った様子のケンちゃん。童顔を無理やり渋くきめ、右手の中3本指をピンと立てそれを女子友たちの目前に突き出しながら、ようやく議題を発表した――「3倍返し!!!


文|松永理佐

Scroll To Top