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【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.4「ショールーミングを斬る」

【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.4「ショールーミングを斬る」

「買い物に付き合ってよ」と、大学時代のM先輩に誘われデパートへ。以前から気になっていたというお目当てのバッグを手に取り、「よし、これに決めた」と早速購入を決意した模様。そのままレジへ直行かと思いきや、再びバッグを置き「さて、帰ろうか」と言い出したではないか。もしや彼女は、妄想ショッピングで満足してしまったのだろうか……。

実はあなたもショールーマー?

 昨年、米『ウォール・ストリート・ジャーナル』が、小売りにおける新たな危機として取り上げた「ショールーミング」。日本ではまだあまり馴染みのないワードだが、その名を知らずともショールーミングを行ったことのある“ショールーマー”人口は年々増え続けている。
 そもそもショールーミングとは、商品購入を考える際にリアル店舗に赴き現物を確かめ、その場では買わずにオンラインショップなどで購入するショッピング形態を指す。例えば先のMさんもその1人。しっかり者の彼女いわく、「ネットはディスカウント率が高いからダンゼンお得。最近リアル店舗に行くのは、PCやスマホの画面ではわかりにくい商品の作りとかを自分の目で確かめたいときくらい」だという。
 ショールーミングは、ITの浸透によりEC(電子商取引)サイトやショッピング比較サイト、オークションサイトなどが充実し、商品をより低価格で購入する方法や経路を手軽に検索できるようになった状況を背景にもつ。そのため、リアル店舗は商品を確認するためのショールームと化し、来客数はあるのに売り上げが伸びないという摩訶不思議な現象も発生。また近年ではスマートフォンも普及し、どこにいてもすぐに価格をチェックし注文できたり、SNSコミュニティを活用したスピーディかつ身近な情報のやりとりから、よりリーズナブルな商品購入ルートを見つけることもたやすくなった。
 このショールーミングは、売り上げ低迷が続くリテール業界にとってさらなる障壁となりそうだ。

ショップが手元にやってきた

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 ショールーミングにみる、ECサービスの利用者拡大は、経済産業省が行った「日本の消費者向けEC市場規模調査」からも伺える(図1)。
 ECサービスは、店頭までわざわざ足を運ばずとも、IT環境さえあれば世界中のショップが自らの手元にやってくるという無限大に広がるマーケットを消費者にもたらした。今後はリテール業界のみならず、例えば保険などの金融商品購入の際にも、「①ITで情報収集→②複数の資料請求→③保険ショップなどに行き商品説明を聞く→④自宅などでじっくり比較・検討→⑤ECで申し込み→⑥再び保険ショップなどに行き最終確認・契約といった、すでに欧米などでは主流となりつつあるECサービスを利用した取引形態が浸透していくという見方もある。すでにこのECサービスを積極的に活用する消費者の中には、商品購入の際には「気軽にネットで買えるものから探す」という声すらある。
 それでは、価格・利便性ともに優れたECサービスも拡大と、ショールーマーの増加により、リテール業界は成す術なく撃沈せざるを得ないのだろうか。


文|松永理佐

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