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まちびらき~北陸新幹線開業にみる、富山県高岡市の地域活性PJ

まちびらき~北陸新幹線開業にみる、富山県高岡市の地域活性PJ

日本海側に全長700キロメートルの“大動脈”が走る――。
東京を起点に、長野、上越、富山、金沢、福井等の主要都市を経由し大阪に至る、北陸新幹線だ。
2015年春の金沢までの開業による都市インフラの劇的な変化を好機とし、シティプロモーションに挑む富山県高岡市のアクションに迫る。

顔の見えるPR 「一人一客キャンペーン」

高岡大仏

国宝・瑞龍寺のライトアップ

【図1】高岡市の新幹線アクションプラン

【図2】2012年コンテンポラリークラフトGP受賞作品「種種」(大桃沙織)

国宝・瑞龍寺、高岡大仏など開町400年の歴史と、銅器・漆器といった伝統産業が息づくものづくりのまち、高岡。これまで観光地としてあまり馴染みのなかったこの町が、観光PRに動き出した。
契機となったのは、間近に迫った北陸新幹線の開業。2015年までに現在整備中の長野・金沢間が開通すれば、富山・東京間の移動が約2時間で叶うなど利便性は格段に高まり、首都圏からの観光客誘致も期待できる。
「北陸新幹線が開業すれば、都市構造も大きく変容します。こうした経験は人生の中でも稀有なこと。これを好機と捉え、まちづくりと市民生活に活かすよう努めるべきだと思います」と、本開業をまちおこしへの刺激と語るのは、高岡市役所新幹線開業企画室の長久副主幹。
高岡市が取り組む、新幹線アクションプランの柱のひとつが「魅力みがき」<図1>。まちのよさを中からブラッシュアップし、観光客を迎える体制を整えることが先決だという。そして要の誘客については、「顔の見えるPR」作戦を進める。
「私自身、以前東京で働いていた際に出会った方から『君に出会わなかったら高岡なんて知らなかったよ』と言われたことがあります(笑)。確かに、同じ北陸圏内にある富山や金沢などの都市に比べ、高岡はあまり目立たないまちでしょう。しかし歴史とものづくりが根付く高岡には、全国に誇るべきものが多くあります。例えば、風情ある城下町・金屋の鋳物産業は今、若者たちのあいだでも再び注目を集めていますし、伝統産業を次世代へと繋げるべくクラフトコンペなども開催しています<図2>。また交通の便をみても、北陸観光の拠点を高岡に置けば、富山や金沢をはじめ、石川の和倉温泉や岐阜の世界遺産・白川郷にも1時間圏内で行くことができ効率的なんです。だからといって、単に『高岡いいとこ一度はおいで』とPRしても、砂漠に水を撒くような話。そこで、高岡に所縁のある人が口コミのような形で誘客を促す『顔の見えるPR 』をスタートしました。
 そのひとつが「一人一客キャンペーン」。市民一人ひとりが、県外の知人・友人・縁者らを誘い、観光客として高岡に迎えるという取り組みだ。
「組織的なものではなく、個人レベルという点で、誘客ヒット率も高くなるのがポイントです。顔の知れた人がいるまちであれば、初めて訪れる場所も親しみやすく感じると思います。また、観光客を一人呼べば、市民一人あたりの経済効果を上げることもできるでしょう。こうした機会を重ねていけば、他県の人とも継続的交流のある観光地という立ち位置を構築することがきるのではないかと期待しています」
行政側でも、例えば高岡市と防災協定関係にある都市のイベントや、ものづくりが好きな人が集まる店舗での催事など、「高岡」の姿が見える形でのPR活動に力を注ぐ。

文|松永理佐(編集部)

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