ホーム / Business / 経済 / 【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.5「ジョシノミクスを斬る」
【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.5「ジョシノミクスを斬る」

【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.5「ジョシノミクスを斬る」

きたれ!ジョシノミクス

 プチ贅沢の浸透には、安倍政権が打ち出したアベノミクスが大きく影響しているといわれている。中でも、とりわけ女性マーケットが熱い理由について、ニッセイ基礎研究所の久我尚子研究員は次のようにみる。
「近年では、女性の就業率が高まり(昨年までの10年間で、25~34歳では10ポイント近くアップ<図4>)自分の財布をもち、自らお金を管理する女性が増えています。それとともに、未婚化・晩婚化が進み、独身女性が増え、自由にお金を使うことができる女性も多くなりました。こうした状況の中で、アベノミクス効果により消費者心理が上向きになったため、これまで貯金に向いて
いた女性の消費がやや活性化しているのではないでしょうか。ただし、過去と比べ女性の財布の大きさは変わっておらず、また既婚者の場合には配偶者の年収水準が以前よりも下がっています(図5)。これが、自分ができる範囲での『プチ贅沢』に留まっている要因でしょう」

【図4】女性就業率の変化(2002-2012) ニッセイ基礎研究所

【図5】男女別年収の変化 ニッセイ基礎研究所

 例えば、アベノミクス効果で売上が増加傾向にあるとされるリテール業界で言えば、普段使いの化粧品や食料品をワンランク上のものにシフトすることは、自分の財布をもつ女性がまず、やりやすいプチ贅沢だろう。
 また、近年不況が叫ばれる出版業界において、女性ファッション誌が年々多様化する背景にも、“細やかながら買いやすい”という女性消費者心理があるのではないか。
 言い換えれば、プチ贅沢は「ご褒美」。たとえ、他者から褒められなくても、日頃頑張っている自分へ細やかなプレゼントを贈り、ちょっぴり幸せ気分を味わうことなのだろう。
 まわりの女子たちに聞けば、プチ贅沢を「リフレッシュ」「パワーチャージ」と捉え、自らのモチベーション維持に繋げているという。「仕事(と恋)を頑張る→プチ贅沢をする→明日からのエネルギーに変える」というポジティブな循環は、ややもすればアベノミクスより先に日本にパワーを与えてくれるかもしれない。 
「誰かが褒めてくれないのなら、プチ贅沢をすればいい」――現代のマリー・アントワネットたちがもたらす、ジョシノミクス効果に注目だ。

文|松永理佐(編集部)

Scroll To Top