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【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.5「ジョシノミクスを斬る」

【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.5「ジョシノミクスを斬る」

「女は色気と食い気」とは、的を“貫く”ほどのナイスな言葉だろう。かのマリー・アントワネットに象徴されるように、いつの時代も女子たちはオシャレと美味しいものに目がない。ここ数年、あまり元気のなかった日本経済下において、少しは控えめになった(であろう)女子たちの消費欲だったが――。2013年、アベノミクス効果も相まって、再び女子たちはその天性の才能を“プチ”開花させている。

幸せはプチっと、ながーく

 とある日曜の昼下がり、都内某高級ホテルのレストランにて女子群を発見。彼女たちのお目当てはスイーツバイキング、お値段4200円なり。いくら食べ放題といえども、おやつに充てる金額としてはお高め。しかし、そんなことなどどこ吹く風と、甘いひとときに焦がれる女子たちは、何食わぬ顔で開店前から長い列を成す。
 大学時代、「スイーツ研究会副会長」を務めた友人Kちゃんに誘われ参戦したこのバイキングには、ホテル自慢のクオリティの高いスイーツがずらりと並ぶ。リンツァートルテ、ミゼラブル、ズッパイングレーゼ、クロカンブッシュ、フランクフルタークランツ……。舌も回らぬようなネーミングのスイーツを思う存分皿に積み、どのテーブルの女子たちも至福の笑みを浮かべる。
 ピスタチオがトッピングされたイチゴタルトを頬張りながら、「う~む。これぞプチ贅沢」とうなるKちゃん。なんでも最近、“プチ贅沢”にハマっているのだとか。
「GWにも『プチ贅沢な女子旅』プランで北海道へ遊びに行ってきたよ。通常プランより値段はちょっぴり高めだけど、いろいろと嬉しい特典(カニ食べ放題、ホテルでのエステ……)もついてくるし、得した気分」と嬉しそうに語るKちゃんいわく、この「プチ」こそが、バリューを感じるためのキーワードらしい。
「ただの『贅沢』だったら、例えば1回、高級ブランドバッグをドーンと買っておしまい。そういう類の散財は頻繁にはできないけど、『プチ贅沢』なら日常的にちょこちょこ取り入れられそうでしょ」
 言うなれば、これは幸せの分散化。1枚の板チョコを一気に食べるか、ひとかけずつ毎日食べるか……。欲深な女子という生き物なら、きっと後者を選ぶはず。

あれもこれも「プチ贅沢」

 なるほど、辺りを見回せば、ホテルやレストラン、エステのプランから、お菓子や消臭剤の香りまで(!!)、巷には「プチ贅沢」を銘打ったものが溢れているではないか。
 このように「プチ贅沢」を謳った流通商品のほか、例えば「毎週土曜は好きなワインを買い込み、飲み明かすワインデー」「月2回、個室のサロンでネイルケア」「週末だけ高級入浴剤を使い、昼間から優雅に入浴タイムを楽しむ」というように、消費者が独自定義するプチ贅沢もある。それでは、どれくらいの現代人がプチ贅沢をしているのだろうか。
 アサヒグループホールディングスお客様生活文化研究所が実施した「プチ贅沢に関する意識調査」によれば、「プチ贅沢をすることがある」という回答は全体の約8割を占め、かなり多くの人が日常的にプチ贅沢を行っていることが明らかになった(図1)。

【図1】「プチ贅沢」をすることがある?

 気になるその内容だが、女性トップは「お菓子」(68.1%)、男性トップは「お酒」(49.3%)。2位は男女ともに「外食」(男性:48.6%、女性:49.3%)と、上位に挙がるのはやはり食関連だ(図2)。

【図2】プチ贅沢の内容

 またその理由については、「楽しいことがあった時」(39.6%)というポジティブな意見がトップにくるものの、次いで「ストレスが溜まっている時」(37.5%)というストレス発散型の回答も目立つ。プチ贅沢は、現代人の気分転換やストレス解消に一役買っているようだ(図3)。

【図3】プチ贅沢をする理由

図2、3、4ともにアサヒグループホールディングスお客様研究所 
【調査概要:プチ贅沢に関する意識調査】 調査対象:全国の20歳以上の男女782人
有効回答:男性426人、女性356人 調査方法:インターネット 調査期間:2012年12/5~11
※「プチ贅沢」を「日常におけるちょっとした贅沢」と定義

文|松永理佐(編集部)

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