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【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.2「ハイヒール男子を斬る」

【イマドキ女子の恋するマーケティング論】Vol.2「ハイヒール男子を斬る」

ローヒール女子が日本を救う

 先日の女子会にて、久々に会ったSちゃんの様子がどこかおかしい……背が低くなっているのだ。ふと彼女の足元を見て唖然、ヒールの高さがいつもの半分以下ではないか。驚くのも無理はない、彼女はずっと“最低10センチヒールしか履かない”宣言をしていたからだ。「マノロのせいよ」と、彼女はローヒールデビュー秘話を語ってくれた。
 女子の憧れ靴、マノロブラ二ク(通称マノロ)。地面を突き刺さんばかりのピンヒールと繊細なデザイン、また米ドラマ『SEX AND THE CITY』の主人公キャリーが愛好することで注目を集めた靴である(図1)。劇中での「マノロの靴を履いて死ねるのなら本望よ」という台詞には、女の美学すら漂う。

 さて、そのマノロの靴を約10万円で購入したSちゃんは、オニューの靴を履いて早速外へ出かけた。しかし運悪く溝にヒールを引っかけ、15センチはあろうマッチ棒のごとき繊細なピンヒールは、無残にもコキンと折れてしまった。直ちに購入店に助けを求めた彼女だが、ヒールの取り寄せと修理費を合わせ、約5万円かかると宣告されたという。すっかりやる気を失った彼女は、とりあえず履く靴を求めて近くのデパートへ。そこで「安定感バツグン」の文字に惹かれローヒール靴に足を許したのは、彼女がハイヒール失恋直後の傷心だったからにほかならない。それ以後、快適なローヒールライフを満喫しているというのだ。「買い物もいつもよりガンガン回れる」「TDL(東京ディズニーランド)もアフター6からじゃなく、朝から行っても疲れない」と、ローヒールライフをさも楽しげに話す。

 しかし同時にSちゃんはローヒール族の悩みも打ち明ける。ローヒールで快適歩行を得たことにより、以前に増して活発に、遊びや買い物といった消費行動にエネルギーを向けられるようになったというのだ。
「ついついお金を使いすぎちゃうんだよね……」ともらす彼女であるが、周囲のローヒール族も同様の散財癖を抱えているというから驚かされる。
 逆に言えば、ローヒールに目覚める女子が増え、これまで以上に外でアクティブに消費活動を行えば、日本経済の歯車を回す頼もしい原動力になり得るのではないだろうか。先にSちゃんが述べたTDLだけ見ても、これまでハイヒールで足が痛くなることを気にかけ、18時以降入園のアフター6パスポート(大人¥3300)でしか楽しめなかった夢の国が、快適なローヒールによりまる1日遊べるワンデーパスポート(大人¥6200)に代わるだけで、約2倍のミニ経済効果が生まれるのだから侮れない。


文:松永理佐(編集部)

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