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経済
【AS TIME GOES BY】DEEP UNDERGROUND 大深度地下
ARTIFICIAL PHOTOSYNTHESIS
人工光合成
表層の議論で逡巡しているくらいなら、いっそのこと深く潜った方が物事が早く進むことがある。
2014年度の着工、2027年の開業を目指し、リニア中央新幹線の沿線地域で環境アセスメントが始まった。ルート全体の6割から7割がトンネルになる見込みで、大都市付近では地下40m以深の大深度地下にトンネルや駅が敷設される。
大深度地下は原則として土地所有者に対し補償が不要で、過密する三大都市圏における機能強化の切り札として2001年に「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」が施行された。道路や鉄道、電気通信、水道等の公共性の高い事業を対象とし、適用事例はまだ数例と少ない。リニア中央新幹線での大規模な取り組みは立体都市の概念を変えるかもしれない。
都市過密度では日本有数の大阪駅でもリニア新駅誘致の声が高まっている。名古屋―新大阪間は2045年開業予定という遠い未来であるが、開業時期の短縮と大阪駅までの延伸という二つの課題の成否は「大阪」都市ブランドの浮沈の鍵だ。この誘致の是非をかんかんがくがく侃侃諤々と議論できるのは「大深度地下法」のおかげでもある。
国連世界都市化予測(2009年)によると、1990年には43%にすぎない世界での都市人口率が、2030年には59%、先進国・地域では81%にまで達し、世界各国の都市過密の傾向はその後も続く。コンパクトシティを標榜し上に上に伸びていた塔や構造物は、やがて密度的にも景観上も限界となるだろう。潜ってばかりで日が当らない分野ではあるが「大深度先進国」日本の技術で金脈を掘り当てるときが必ず来る。
世界最長(57km)鉄道トンネル、スイスゴッタルド基底トンネルの貫通(2010年10月)(写真:AP/アフロ)
文:本丸達也(発行人)
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