年明けから経済には明るい話題が見えません。世界を代表するトヨタ自動車の渡辺捷昭社長に「底が見えない」と言わしめた、長いトンネルの先に光は見えるのか? ブアイソーは「地域経済」に視点を置き、そのヒントを探るべく、全国信用金庫協会常務理事の谷村龍太郎氏にお話を伺いました。
text:加藤紀子(編集部) 構成:太田健司(編集部)

社団法人 全国信用金庫協会 常務理事
谷村龍太郎 氏

信用金庫は地域の使命共同体

ブアイソー(以下b)2008年を振り返ってみると、経済を取り巻く環境の激変はすごかったですね。
谷村氏(以下T)昨年の夏までは、ガソリンをはじめとする原材料の価格が高騰し、9月からは値上げが加速すると言われていました。デフレ経済からの脱却という見方もありました。ところが9月のリーマンショックですべてが変わってしまいましたね。この金融危機は、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度)の前議長アラン・グリーンスパンによって「百年に一度の信用収縮のTSUNAMI(津波)」と表現されていますが、この短期間での大幅な落ち込みは、初めての経験といってもよいでしょう。大ケガをしないように身の回りを固めつつ、新しいビジネスチャンスを探すしかない。妙薬などなく、地道にやるしかないように思います。

中小企業の縁の下の力持ち

b)地域経済をサポートする立場ですが、その現状を教えてください。
T)先日も名古屋へ行き、東海地区を訪ね歩いてきましたが、景況は悪化の一途を辿っているという感じです。しかし、日本経済を大きく振り返った時に、大企業が苦境に陥った時でも、地域の裾野で中小企業が何とか歯を食いしばって経済を支えてきた歴史、実績があります。
 地域の中小企業は、好景気の時に大企業と同様に儲かっていたかというと、必ずしもそうではありません。景気が良い時でも取引先から一層のコストダウンを求められるといったプレッシャーを受けてきました。好況時に浮揚感を実感できないうえに、景気が悪くなると真っ先に影響を受けるというのが実感です。このような中でも、中小企業、地方経済のたゆまぬ努力があったからこそ、日本はここまで発展できたということを決して見逃してはいけません。これが日本の経済は中小企業が支えてきたといわれる所以で、信用金庫はその縁の下の力持ちになってきました。

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