モバイルでありながら下り最大40Mbps、上り最大10Mbps(システム上の最大速度)を発揮する、世界標準規格であるモバイルWiMAXを用いて、日本における真のユビキタス社会の実現を目指すUQコミュニケーションズ(以下UQ)。
最先端技術のワイヤレス・ブロードバンドは日常の生活を、ビジネスを、そして世の中を劇的に変えようとしている。UQのトップである田中氏に話を聞いた。

たなか・たかし:1957年大阪生まれ。京都大学大学院工学研究科電気工学第2専攻修了後、79年に国際電信電話(現・KDDI)に入社。IP事業やソリューション商品開発、モバイルソリューション事業に携わり07年に取締役執行役員常務に就任。同年8月、ワイヤレスブロードバンド企画(現・UQコミュニケーションズ)の設立にともない、代表取締役社長を兼務

既存キャリアとは全く違うもの

 今回UQブランドで発売されたデータ通信カードの入るパッケージはメタリック・ブルーだ。イー・モバイルやNTTドコモなどのイメージカラーは暖色系である。田中孝司社長によれば、既存のキャリアによるサービスとは全く違うものだということを前面に打ち出したかったという。
「従来の携帯電話(3G)はCDMAという技術に基づくものですが、我々のネットワークはWiMAXという技術に基づいています。技術面だけでなく、ビジネスの展開面でも大いに違いがあります。携帯電話会社のサービスは、端末とネットワークとコンテンツをセットにして売るという『垂直モデル』です。これはある意味、排他的なやり方で、資金力のあるキャリアしか参入できない形態になっています。これに対して我々は、ネットワークとデバイスをオープンにします」。

 ここでいうデバイスのオープン化とは、UQのネットワークがカーナビ、情報家電など様々なメーカーによる多様なデバイスとつながるということである。「UQブランドの製品でなくてもUQのネットワークにつなぐことができる」――ここが3Gとの決定的な相違点だ。「この違いを料金面から話すと分かりやすい。UQのサービスは、月額4480円というシンプルなものです。この月額4480円というのは、家庭に対するひとつのパイプだと思ってください。
 そしてここからが大きな違いになるのですが、3Gの場合は、カーナビにもモバイルインターネットを入れようとすると、新たに3Gのカードを入れて携帯電話1台分の月額料金を払わなければなりません。ところがUQの場合はカーナビが2台目の追加端末と見なされ、月額200円の追加料金で済みます(※2010年1月末まで無料)。200円ならカーナビにもつないでみたいと思う人が多いのでは」。

左が3G、右がWiMAXを表す。3Gは電話の基本性能である音声通話をベースに拡張、WiMAXはブロードバン ドアクセスに特化して進化と、両者はそもそも生い立ちが全く異なる。

 例えば家族が離れて生活していても、時間さえ重ならなければこの4480円のパイプを共有することも可能だ。現在はこの機器追加オプションを3台までと制限しているが、今後はもっと増やしていきたいと田中社長は息巻く。IT化の流れの中、すでに10年来「情報家電」と声高に唱えられてきたが、実は絵に描いた餅に過ぎなかった。ほんの少ししか使わない多くの家電機器に、3Gの世界ではコストがかさみすぎて現実味を帯びなかったのである。WiMAXの登場により、ようやくこの世界が実現し、新しい市場、新しいライフスタイルが生まれる。

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